大津市の旧東海道に面する橋和田家住宅は、江戸時代に当地で「近江屋」の屋号で呉服商を営んだ上野家により明治期に建てられました。
主屋は昭和8年の旧東海道の道路拡幅の際に、一階正面庇の軒が切られるなどの改変が行われ、戦後に建物の間口の右側約3分の2を橋和田家が取得しました。昭和時代後期に、正面の外観は店舗として看板建築となりましたが、平成22年に市の補助事業を活用し改装され、町家の姿を取り戻しました。平成29年には所有者の居住部分以外の改修を行い、「HOTEL講 大津百町」の「近江屋」として新たに活用されています。
主屋の背面に位置する土蔵は、正面入口上部に施された丸に花菱紋、その両脇の飛沫をあげる波の優れた鏝絵が特徴です。
主屋と土蔵はともに、明治時代の大津の町家の形態を残すとともに、旧東海道の景観を伝える建造物として貴重です。

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登録内容

登録対象主屋・土蔵
年代主屋:明治中期 土蔵:明治前期
構造及び
形式
主屋:木造2階建一部3階建、瓦葺 土蔵:土蔵造2階建、瓦葺
建築面積主屋:185㎡ 土蔵:34㎡
登録の基準1